ドーキンス

推薦入試で休日出勤。で、ご宗旨の方はやむを得ずお休み。
空き時間に「悪魔に仕える牧師」を読む。ドーキンスがこういう短編エッセイ集って書くの初めてか。まだ途中だけれど、なぜか「ドーキンスってこんなに単純だったっけ?」という印象が強く、何だか拍子抜け。何だか華麗なレトリックばっかり気になって鼻につく。
ドーキンスの迷信嫌いは科学者として当然の感覚だろうけれど、ありえないことを信じる必要性というのをもうちょっと考えてはみないのかなあと思う。人間何かは信じなければ到底普通の生活なんて送れない生物だし。
単純な話、もし私が明日脳溢血を起こして何ヶ月も入院する羽目になり、その後も後遺症が残って今のような仕事を続けられなくなったとしたら、私はいったいどうするかということを考えてみればよい。こんなシチュエーションは現実的でしょ?多分(1)家族に頼る、(2)貯金に頼る、(3)社会保障に頼る、のどれかになると思う(すみません、ご宗旨があるくせに「カミサマに頼る」という選択肢が出てこなかった)。ところで、これらの選択肢が果たしてどれほど信頼性のおけるものか、まともに考えてみると結構寒いんじゃないかと思うのだ。どんな境遇になっても達観できる人生の達人ならいざ知らず、何だか「私だけは大丈夫」のような根拠のない思い込みで生きているのが大多数の凡人ではないかと思う。それで、そういう「私は生きていける」という思い込みの拠り所として、迷信とか宗教は結構いい線いっているような気がするのだ。少なくとも、一部の人間の適応度を上げているのは事実だろう。
私だって、「どこかには正義のまかり通るヨノナカが存在する」と信じていなければ、今現在とてもこの業界で生活してませんよ…