さて、飼育実習当日である。3種類の飼育水槽づくりから班ごとに好きなものを選ぶ。カタツムリを飼う班はホケカンへ(ここの外壁にウスカワマイマイが何匹か付いていた)、直翅目を飼う班は捕虫網を持って裏の草むらへ。今年はキリギリスの幼虫がずいぶんいたのでそれを採って帰る。共食いするかな。それから、メダカを飼う班は表の小さな池へ行き、水草や水生昆虫の採集をする。文系の学生だけれど、結構ムシに対しても「カワイーイ!」とはしゃいでいたのでちょっと安心する。それでなくちゃ小学校の先生はつとまらないよ。
「せんせーい!ねえ、これカワイイと思いませんかあ?」
嬉しそうに、キイトトンボの成虫の翅を指に挟んで持ってきた女子学生がいた。だが、よく見るとそのトンボの前脚には上半身を食いちぎられたハエがしっかりと捕まえられている。これを見たうえでカワイイと言っているのかな。そうだとしたらアナタはすごい人だ。