I上川ウォッチング

I上川の改修作業が進んでいます。赤橋の下、いつも実習をやるあたりで護岸工事をしているようです。左岸側の竹やぶがかなり削られており、ここに根固めを施して護岸を貼るようです。それはそうと、工事の前にこの辺の魚類調査はやったんでしょうか。気になります。

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これだけ澪筋をいじられてしまうと、来年は川虫実習の場所を少し上流側に移した方がよいかもしれません。

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護岸をするのは堤防の際だけかと思っていましたが,どうやら低水敷のところはテトラポットを置いてしまうようです。この辺は扇状地河川で、毎年のように澪筋が動くところなので、低水敷を固定することにどれほど意味があるのかと思います。河床が固定化すれば、カワニナが住み着いてゲンジボタルは増えるかもしれませんが。

 

 

前向け前

寄生虫館から標本を送っていただいたので早速検鏡。ふれあい科学館から依託されたムシと同種と思われるヤツだ。O館長の話によると「標本のできがよくないので」細かい分類学的研究には供されずに置いてあったものということだが、標本を検鏡してみてその理由が判明した。このムシ、サイズの割に厚みがあり、圧平をかけるとコロンと横を向いてしまうのである。寄生虫館の標本も,ウチでN君が苦労してマウントした標本も、揃いも揃って横を向いており,正面向きできちんとマウントできている標本がない。そのことだけでも、今まで付けられていた学名の種とは形態的に別種ということが容易に推測できる。しかし、今後つくる標本はマウント方法をどうにかして工夫しないと、ちゃんとした記載ができない。どうしたものか、厄介なムシである。線虫のようにグリセリンゼラチンで封入してみようかな。

ヘビを祭る

ということで今日はヘビ祭り。昨日、水族館で飼育していたヘビが2匹、立て続けに死んだという連絡を受けたので、急遽送ってもらって寄生虫探しとなった。届いたヘビのうち、大きい方は1mを超える立派なもので、なかなか目にする機会もないので他の研究室の学生たちもやってきてワイワイと記念撮影。その後A君、M君に手伝ってもらって開腹し、消化管と肺の検鏡をしたが、寄生虫はとても少なかった。水族館で2年以上も飼育されていた個体なので、おそらく野外で感染していた寄生虫は大半が脱落してしまったものだろう。ちと残念。解剖の済んだヘビは標本にするため、両生爬虫類分類学の研究室へ転送されていった。

ちなみにラボを挙げての解剖作業を私の研究室では「祭り」と称しているけれど、某獣医学科の先生のラボでは「パーティー」と称するそうである。獣医寄生虫学の研究室で「明日はタヌキパーティーだから」と言われたら、つまりそういうことである。

食品偽装(じゃない)

目黒寄生虫館のO先生に、寄生虫の固定液に使うことのあるピクリン酸アンモニウムグリセリンの代替固定液を問い合わせた(ピクリン酸アンモニウムは固体だと爆発性があり、取扱困難なため)。ところが「修正したピクリン酸アンモニウムグリセリンの処方」を見たところ,どう見てもアンモニアが含まれていない…これをピクリン酸アンモニウムグリセリンと称したらあかんのではないか。何だか「当店オリジナル豚まんのレシピ」を見たら材料に豚肉がなかった時のような衝撃。

さて、明日はヘビ祭りだ。頑張るぞ。

代休のはずが

センター試験前日で授業がないため、今日は代休の代休を取った…のだけれど、ゼミはあるので結局昼から出勤して、卒論・修論の結果発表5人の長丁場。やっとウチの研究室の全員がゼミ発表を済ませ、これでなんとか卒論のストーリーを組み立てる目処が付いた。万歳。

寄生虫の二度漬け

卒論・修論へのコメントと議論、来年度の実習の打ち合わせ、送られてきた新しい寄生虫サンプルの処理、授業1コマ、事務メールのやり取りいろいろ。よく働いた。

ところで修士のN君の話によると、圧平せずにエタノール固定した寄生虫標本をそのままマウントすると、脱水によって虫体が固まり、きれいな標本(観察するべき部位がきちんと正面を向いている)にならないという。それなら脱水した虫を一度水に戻し、形を整えて再固定すればいいのではないかと思い、試しにやってみることにした。ムシの二度漬けであるが、さてどうなるか。

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送られてきた寄生虫のサンプルと一緒にピンクのボールが入っていたので一瞬「?」となったが、手に取ってみて大爆笑。Hさん、ありがとうございました!コレ欲しかったのよ(笑)。