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寄生虫館から標本を送っていただいたので早速検鏡。ふれあい科学館から依託されたムシと同種と思われるヤツだ。O館長の話によると「標本のできがよくないので」細かい分類学的研究には供されずに置いてあったものということだが、標本を検鏡してみてその理由が判明した。このムシ、サイズの割に厚みがあり、圧平をかけるとコロンと横を向いてしまうのである。寄生虫館の標本も,ウチでN君が苦労してマウントした標本も、揃いも揃って横を向いており,正面向きできちんとマウントできている標本がない。そのことだけでも、今まで付けられていた学名の種とは形態的に別種ということが容易に推測できる。しかし、今後つくる標本はマウント方法をどうにかして工夫しないと、ちゃんとした記載ができない。どうしたものか、厄介なムシである。線虫のようにグリセリンゼラチンで封入してみようかな。