山梨川歩き

この週末は夏季休暇をとって実家詣でをし、翌日は甲府に足を伸ばしました。子供の頃には観光やぶどう狩りでよく来たものですが、多分40年ぶりぐらいになります。甲府盆地の川は長い治水の歴史を誇り、河川土木分野では大変有名なところですが、同時にかつての日本住血吸虫流行地ということで寄生虫学分野でも有名です。ただし、この2つに何か関わりがあるのかどうかは、多分まだ調べられていません。もちろん明治時代以前は寄生虫の存在は知られていませんが、病気を引き起こす「悪い水」をなんとかしようと努力はしたのではないでしょうか。彦根でもかつてマラリア対策として彦根城の濠が埋め立てられてしまいましたが、実は感染症の存在がその地域の水系を大きく変えてしまう可能性があるのではないかと思っています。誰か「感染症人文地理学」のようなものをやってみる人はいないでしょうか。

信玄堤から見た釜無川。一時期、淡水貝類が徹底的に駆除された経緯がありますが、住血吸虫症の撲滅宣言からおよそ30年が経ち、今自然はどこまで回復しているのか、気になるところです。