流れて消えて

実家のイベントのため一時帰国していた院生Jさんが戻ってきた。旅程の半分以上はフィリピン、および日本入国のための隔離期間だったそうで、お疲れ様。ちょうど一週間ほど前にナターシャから今年の寄生虫サンプルも届いていたので、さあ実験を再開しましょうかねと二人でサンプルの箱を開けてみた。そうしたところ、ショックな事実が判明。固定した寄生虫を種類ごとにチューブに詰めてあったのだが、マジックでチューブに直接種名を書き込んであったらしく、エタノールが漏れてラベルが全部消えてしまっていた(環境DNAのサンプルの方は鉛筆でデータを記入した紙が同封してあり、無事だった)。エタノール液浸標本にマジックや油性ボールペンでラベルを書くのは厳禁なのだが、Jさんと二人しばし呆然とした。しかし如何ともしがたいので、仕方なくナターシャにメールを送って、余分のサンプルがあれば送ってもらうことにした。もしなかったら、とりあえず去年送ってもらったサンプルだけで分析を進めるしかない。やれやれ。