新顔ムシ来る

昨日は共同研究のためA君とK大へ行き、１日中寄生虫探しをしました。A君のD論用サンプル以外に、ちょっと珍しいこんなムシも取れました。これはこの分類群の専門家のところへ送る予定です。

このムシは吸血性で、黒く見えているのは吸った宿主の血です。体全体に網の目のように腸が張り巡らされているわけですが、考えてみれば血液というのは消化の必要が全く無く、そのまま栄養として利用できる完全無欠のスーパーフードです。ですから、消化液を出す胃や肝臓を持たなくても、腸官を全身に分岐させてそのまま細胞に栄養を取り込んでしまえば良いわけで、いわば消化器と循環器を兼ねたような構造になっているようです。なるほどなあと納得しました（この細かく分岐した腸管が分類学者泣かせではあるのですが…）。