ムシ修業

南の島国から大学院生のJ君が来室し、一日中寄生虫学個人レクチャー。J君はもともとS研のO田氏と共同で琵琶湖の魚類の食性調査をやっていたのだが、消化管の中から出てくる寄生虫に興味を持ち、博士課程では本式に自国の魚類寄生虫学をやることを志している。で、研究を開始するに当たってO田さんと私が南へ行くこととか、あれこれ算段していたのだけれど、結局、J君がASLOで(現在O津で開催中)研究発表の為に来日することになったので、1日空けて県大へ来てもらい、詰め込みで寄生虫学レクチャーをやることになった訳である。今日一日のワークの内容は、彼が持参した寄生虫サンプルの検鏡、魚の解剖と寄生虫の圧平実習(皆が臨海実習でやってるやつ)、永久プレパラートを使って生殖器など細かい構造の観察、等々。こうしてやってみると分類学者への道のりって本当に修業のようで、なかなか一朝一夕には会得できないものだ。とにかく時間をかけて「ムシを見る目」を作らなければならないのだ。