動物園の30年

環境科学セミナーで,環境政策計画学科のK河原先生と,日本動物園水族館協会会長である富山ファミリーパークのY本園長が「今日の動物園をめぐる役割と課題」というタイトルで講演。私は中高生の頃から動物園にはよく出入りしているし,思えば大学に入って最初の生物学の授業が動物園をめぐる話題だった。当時はJRをはじめ民営化の嵐が吹き荒れた時代で,採算の取れない動物園は真っ先にやり玉に上がっていた。それからかれこれ30年近くになるわけだが,日本の動物園の法的位置づけのなさ(博物館指定を受けている動物園は少数とのこと),入場者減少,自治体ごとにまちまちな管理体制は今でも変わっていないらしい。昨年10月からやっと動物園法を制定する動きがはじまり,法案の骨子を検討しているとのことなので,日本では,動物園のあり方について立法の観点からの議論がようやく一歩踏み出されたところだ。大きな一歩前進かもしれないが,30年かかってやっと一歩かと複雑な気持ちになる。
「選挙前になると動物園に新しい動物が入る」という話は初めて聞いた。それで票を稼ぐのだそうな。