薪割りも条件

新年度から2ヶ月ほど,フィリピンからJC君が研修に来る話が出ているので,少し前から彼の彦根での住居を探していた.ウチの大学の留学生寮は職員宿舎を改造した手狭なもので常に満室だし,2ヶ月という短い滞在期間では普通のアパートは契約してもらえない。あとはウィークリーマンションしかないが,家賃が高いので多分彼の奨学金では滞在費をカバーできなくなってしまう。何か良い知恵はないかと思っていたところ,ふとウチの学部の教員が近くの集落で空き家となっている古民家を改修し,学生を住まわせていることを思い出した(もちろんただ下宿を提供しているのではなく,そこに住む学生は地域の行事などに参加して活性化に協力するのがお約束)。そこで様子を尋ねたところ,一度見に来てくださいというお返事だったので,今朝早速下見に行ってきた。

物件は築80年という古民家で,外見はわりと普通のお宅だが,2階の室内はご覧の通り,天井の梁が尋常ではない見事さである。ここはもと物置だったところを,環境建築デザイン学科の学生たちが改修して映画鑑賞会などに使っているそう。
もちろん室内のしつらえは古いし,キッチンやバストイレは共有,さらに風呂は薪ボイラーで焚くという居住条件なので,JC君に写真を送って意向を尋ねてみると,地元の文化について知りたいのでウィークリーマンションよりもこちらのほうがよいという返事だった。ここに住むなら地元行事に参加するのが条件なので,もしかしたらJC君には,私も経験したことのないディープな滋賀ライフが待っているのかもしれない。
なお,私を案内してくださったUk先生もこの家を滋賀での宿舎代わりにしているのだが,学生たちを母屋に住ませているのに「ボクはここに寝泊まりしているんです」と見せてくださった先生の個室は納屋だった。