カワヒバリ定期調査’12

定例のカワヒバリガイおよびその寄生虫調査。

8月の集中豪雨の後,私は初めての宇治川。定期サンプリングをしている宇治橋周辺のカワヒバリガイはほぼ壊滅していて,石をめくってもご覧の通りの状態(ただし,川全体がこうなのではない)。目に付くのは死に殻ばかりであった。

カワヒバリガイがいなくなってもナカセコカワニナは元気一杯で,そこら中が這い跡だらけ。例年なら茶色く変色した藻のマットがべったりと石を覆っているのだが、今年は撹乱のせいか石がきれいになっており,美味しそうな灰色のケイ藻が薄く生えている状態なので,グレイザーにとっては天国だろう。


災害復旧工事のついでかどうか,また河床の掘り下げをやるらしい。

すでに十分河床低下は起こっていると思うのだが。

少し上流へ行くと,残念なことにカワヒバリガイは健在だった。どうも,局所的な土砂堆積の有無によって生存か死亡かが分かれているようだ。濁り水に晒された程度では死なないらしい。

今日は宇治から南郷までタクシーで移動。その間,瀬田川に流れ込む沢という沢で崩落が起きていた。集中豪雨は宇治だけでなく,滋賀県内でも相当のものだったことが知られる。南郷の採集ポイントでもご覧の通り,沢から大量のマサが流れ込んでいた。もっとも,ここ数年、右側の河川工事のため,このあたりの底質にはシルトが詰まってあまり芳しくない状態だったのだが、これだけ砂が入ればセタシジミカワニナにとっても少しはましな状態になるかな,とも思う。
今日はカワヒバリ調査のついでに,漁協さんからオイカワを入手して、懸案だったザッコ虫を探した(大学周辺や琵琶湖のオイカワにはついていない)。なんとか見つけられたので海の向こうへ送るべく準備。