一分のコペにも五厘のムシ

1限目は人間探究学で例の食品の放射性セシウム基準値についての勉強。日本の基準値はEUなどよりかなり厳しいというのはよく言われるけれど、それは食品全体のうち汚染されているものの割合がどのくらいかという前提が異なるからだという話(日本は50%、EUは10%)。それを考慮すると、日本とEUの基準値ってそれほど大きな違いがある訳じゃないし、汚染源に近い地域ほど基準値を厳しくするのは理に適っている(ベラルーシウクライナの基準値はもっと厳しい)。あとは、その前提となる汚染割合の数字の妥当性あたりが議論のしどころか。
午後,フィールドに出かけていた卒論生Mさんと卒業生のY村君がやってきた。以前,魚の寄生虫の感染源であるケンミジンコの条虫感染率を調べたいと思ったのだが、プランクトンネットの中身がゴミだらけで肝心のケンミジンコがほとんどとれず、諦めていた。ところがBさんのアドバイスで採集場所が悪かったことが分かり,今日は採集方法を変更してプランクトンを採ってきたとのこと。獲物を入れたT型瓶を光にかざして見ると、水中をぴょんぴょん飛び回るケンミジンコが一杯であった。やはり餅は餅屋。そして、Mさんはその中から首尾よく条虫のついたケンミジンコを見つけることができた。当然のことながら感染率は非常に低いけれど,これだけケンミジンコがたくさん採れればなんとかデータにはできそう。