ベントス観察記

晴、今日も北東の風強く、最高気温22℃。朝、クロヅル4羽の小群が実験所の上を飛ぶ。
寄生虫レナさんからサンプリングに誘われて、Bithyniaを採集しに行く。先日のナターシャさんのフィールドより泥は浅く、せいぜい足首までしか潜らないので歩きやすいが、硫化水素臭とメタンガスはあいかわらず強烈。

下は結構ドロドロで、見てとおり泡が立っている。
Bithyniaに限らず、さまざまな大きさや形のLymnaea、Planorbis, Physa、どの貝も水草(主にフサモ)や藻にわらわらたかっていて、生態の違いなんてあまりなさそう。というか、資源はあふれ返っているのでhabitat segregationなんて必要ないんだろう。

最大級のLymnaeaの死に殻。背景のアオコがここの水質を物語る。勿論人為的汚染のせいではなく、降水量が少なく乾燥した気候なので、水中に有機物がどんどん溜まっていくためである。
イトトンボのヤゴが死ぬほどいる。あとはDaphnia magnaと思われるでかいミジンコ、ナベブタムシ、コカゲロウ類、甲虫あれこれ、ミズグモ、ヒル等。

レナさんがタヌキモをみつけてくれたので少し実験所に持って帰る。これは柔らかくて美しい。

夜はシャシリクパーティーが開かれた。さすがにバイカルの時のようにヒツジ一頭引っ張ってきて…というものではなかったが、皆の言うところによると「それが本式のやり方で、豚や鶏や魚でやるのは邪道」ということだった。元来中央アジアの料理らしい。で、本日の食材は豚肉とコイ。ナターシャ夫妻から、今日だけは飲めとワインを強引に勧められる(ロシアにアルハラという言葉はまだないらしい)。今夜もまた魚を研究している学生のマーシャがギターを弾いて唄う。ロシアの曲ってやっぱりみんな哀愁が漂う感じがするな。