見立て違い

夕方,院生のWさんが泣きそうな顔で「ここにいるトビケラ達がどうしてもわからないんです。カクツツトビケラ属かと思うんですが…」と言う。覗いて見ると気管鰓のフサフサした丸顔のトビケラ幼虫がごろごろ。カクツツではないけれど何か携巣性の種みたいだね、この仲間は苦手だなあ…と喋りながら図鑑を繰って見たが,何度見てもこれといった種が見当たらない。変だなあと思ってもう一度実体顕微鏡を覗くと、先ほどまで見逃していたある器官に気がついた。トビケライボ足なんてあったっけ…?
m-urabe「…ごめんWさん、これトビケラちゃうかったわ…」
W「(絶句)…ユスリカとか、そっち系ですか?」
m-urabe「…ううん、節足とイボ足が両方あるし…多分鱗翅目…」
お粗末でした。結論はイネコミズメイガ。