来年からの新カリキュラムで導入される1回生向けの基礎演習に関して,カリキュラム検討ワーキンググループのメンバーからその構想を聞き,授業形態に関してアイデアを練るための非公式な意見交換会があった(教務なので引っぱり出された)。その中でK茂先生が某私立大学でのグループワーク形式の授業形態を紹介したのだが,それは,学生を5人の班に編成し,毎回のレポートは班員のうちの一人が「執筆責任者」として提出するのだという。学生は,いい加減なレポートを提出すると他の班員の成績にまで影響するため必死でレポートを書くし,教員は毎週のレポート読みの労力が1/5になるというわけである(私学では1つの講義の受講者が数百人は当たり前なので,レポート読みの労力削減は切実な問題)。確かに教育効果はあるのかもしれないが,これは明白な連座制であり,集団管理でもあるので,私などはかなり抵抗を感じる。多分,私が学生だったら,「教員たるもの全学生のレポートを読まないとはけしからん」と抗議して毎回個人レポートを出すだろう。しかし,近頃は,悪びれもせず「不必要だと思ったから」などと言って堂々と宿題をサボるような学生もいるので,勝手な自己判断は周囲の迷惑を招くということもどこかでちょっとは教える必要があるのかもしれない。今の学生諸君にしてみれば,毎回個人レポートを提出するのと比べてどちらがよいと思うだろうか。