で,県庁所在地.国土利用計画審議会で審議すべきことは,今後約10年間の土地利用の大まかな方向性であり,個々の事例をどうするかではない.そこで審議される「土地利用基本計画」は,マスタープランではあるが,何の拘束力もないのである.そこで,今日の議論は,プランを現実に移すシステムの重要性に集中した.
「土地利用基本計画」の実効性に関する疑念は,例の「事後承認」の件で表面化した(ちなみに,今日はわかりやすい地図と,各地が森林地区指定解除に至った経緯が配布された.なんで最初からこれにしないのだろう).当然ながら,何人もの委員から「これは承認事項であって,審議事項ではない」との疑問が提出された(毎回,こういう疑問が出るらしい).一つわかったことは,「森林法」に限り,その解除を認可するのは,開発工事がすべて終わってから,ということになっているそうである.理由は,先に森林地域の指定を解除してしまうと,途中で工事が中断されたり,工事規模が変更になったとき,何の指定もない「更地」ができてしまうから,ということのようである.そこで,すべての工事が終了し,森林と非森林の境界が確定してから,「森林地域」から除外するという手続きをとるのだそうだ.妙な話だが,開発許可が下りれば,法律上「森林」の指定下にありながら,工事は進むのである.
ちなみに,実際に林地開発認可をするのは,県の森林保全課,大規模開発の場合は森林審議会だということ.そして,総合的に県土の利用方法を審議するはずの国土利用計画審議会には,開発が全部終了してから,「マスタープランのほうを変更してね」と挙げられてくるのだ.これは,何かシステムを作らないと,土地利用基本計画はただの絵に描いたモチになり,実際の開発認可は,相変わらず,それぞれの部署がてんでばらばらに行うということだ.今日の会議では,委員が皆,そのことに危機感を覚えたに違いない(それが収穫?).
これから私はこの審議会でなにをすればいいのだろう.会議後どっと疲れて,紅茶でエネルギー補給してから帰学.