ヌマチチブを解剖していたら,大型の一個体の消化管の中に固いものが詰まっていた。取り出してみると丸飲みにされたサカマキガイで,それが6個も出てきた。ちなみにどれも殻長は約8ミリ,殻幅は4ミリの成貝である。これが6個というと,如何に大きなヌマチチブでもかなり腹が張っている状態であることは間違いないだろう。
このヌマチチブは先週の土曜に採集してきた個体で,それ以後蓄養していた水槽にサカマキガイは入っていないから,当然採集前に食べたことになる。つまり,少なくとも6日間,こいつは6個のサカマキガイの殻を排泄せずにいたわけだ。
…というより,ヌマチチブがこの直径のサカマキガイを排泄するのは,おそらく物理的に不可能である。いったいどうする気だったのだろう?