針金探し

卒論生B君のフィールドを探すため,隣の研究室のN君に車を出してもらって,多賀の奥山へ出かけた.目指すは,N君が2年前にたくさんのハリガネムシを見たという谷間である.
到着したのは県境もほど近い結構な奥山であった.山には鳥の声がこだまし.岩壁には可憐な春の花.こんないいところでお目当てがハリガネムシとは,ちょっと悔しい.

谷間の二人.

キバナイカリソウ
かつてハリガネムシがうじゃうじゃいたというのは,驚いたことに岩の上の小さな水たまりだった.腐った落ち葉をかき回してみたが,ハリガネムシはおらず,代わりにハナアブの幼虫がうようよ出てくる.うーん.こんなところでハリガネムシの生活環が維持されているのだろうか?
仕方ないので,下流側のいつも水がありそうなところまで移動してハリガネムシを探したが,見つからない.私の過去の経験から言えば,季節が悪いということはあるまい,結局,水生昆虫だけを少し採集して帰学.ハリガネムシはいなかったが,魚類線虫は2種類出てきた.他の場所をもう少し当たらなければなるまい.