セミナー2件

環境科学セミナーの日(内容は下記)。発表内容はもちろんそれぞれの講師の先生方の専門で、その中身の濃さもさることながら、お二人とも行○や○治体相手の百戦錬磨のツワモノという共通点があって、そのエネルギーの凄さといったらない(H先生に至っては「格闘技」と自任してました)。今日セミナーを聴いた学生諸君は、2題続けて相当なインパクトを受けたのではないでしょうか(同時にかーなり行○不信になったかもしれないけど)。いろいろな意味で強烈な一日でした。
強烈なところを一つ紹介すると、今日、S野先生からご紹介いただいた、土木学会デザイン賞受賞のこの海岸。
http://www.jsce.or.jp/committee/lsd/prize/2006/works/2006g1.html
この海岸にデザイン賞授与を決定した土木学会すごい、ブラボー。「デザイン」という言葉で我々が陥りがちな、造形性や新規性のような偏狭なイメージを、文字通り木っ端微塵にしてくれました。多自然型工法の未来も、ちょっと楽観できるかもしれないと思った次第。
もうちょっと真面目に解説すると、ここはもと、例の緩やかな階段状の親水護岸(しかも作りかけの中途半端もの)があったのですが、それを撤去したのです。そして、要らなくなったブロックや石などを利用して(制度上、他所へ持ち出すのは困難であるということもあったそうですが)、昔みられた「築磯」という、沿岸漁などに利用される人工磯を模し、かつ消波作用によって砂浜の侵食を防ぐようにしたものです。
そして、私の見るところでは、こういう、台風が来るたびに石が転げるような海岸構造(?)物を土木学会が「作品」と認め、そこに「デザイン性」を見いだしたというのは画期的なことなのです。そのうち、「大水のたびに流路が変わる川」とか、「やがて倒れて魚の住み家になると予測される河畔林」にもデザイン賞が授与されるかもしれません。ほらほら、未来は明るい。