さて,記載論文は,寄生虫分類学の分野では権威と言われている某雑誌に挑戦しようしているのだが,投稿規定にこんな項目がある。
「記載論文の場合には,タイプシリーズの標本の一部を一緒に送ること。論文が受理された場合には,その標本は返送せず,XX国寄生虫学研究所に所蔵される」
つまり,模式標本召し上げということだ。他の動物分類学では,こういうのって一般的なんだろうか?
さて,論文に図示するのは通常ホロタイプであるからして,投稿の際に送るのも(向こうが照合できるように)当然ホロタイプということになるが,日本の寄生虫のホロタイプが海外にあるというのは今後の研究面で当然不便だし,ささやかながら「日本の固有財産の記録」を召し上げられるというのもなんか癪だ。そういうわけで送付するのはパラタイプの方にし,少々煩雑だが,論文にはホロとパラの両方の形態図を乗っけることにする。
で,せっせとパラタイプのスケッチを拵える一日。