いろいろ手を尽くしたがオオナマズ(宇治産)が入手できそうにないので,とりあえず中間宿主の方から攻めるため,カワヒバリガイを採りに行った。まず最初に,5年前の定点である八幡の三川合流地点へ行く。以前から橋の掛け替え工事をしていたので,サンプリングができるかどうか不安だったが,行ってみたら案の定定点は潰れていた。対岸で採集できそうな場所を探してみたが,ここは八幡の処理水の放出口直下に当たり,カワヒバリガイはまったく付いていない。八幡での採集はあきらめて,感染率の保証はないが確実に採れそうな宇治へ行ってみることにした。
宇治の塔の島の下手の深みでは,10人近い太公望が釣り糸を垂れていた。どれどれと覗き込んでみるとコウライモロコである。川の中を見ると,護岸の傍らにコウライモロコがびっしりと寄りついている。5年前の魚病発生時には大打撃を被ったコウライモロコだが,今は大丈夫のようだ。まだ寄生虫はいなくなったわけではないが,とりあえず乗り切っているようである。
釣り人を邪魔しないよう,その少し下流の転石帯へ下りてみた。あんパン大の石をはぐってみると,いるわいるわ,カワヒバリガイのお出ましである。普通,このぐらいの大きさの石は洪水があると動くのでカワヒバリガイは付きにくいものだが(それで,たくさん採集するためにはできるだけ大きな石を力任せにはぐることになるので,カワヒバリガイの採集には腰痛が付き物である),ここは塔の島の船だまりの下なので上流側の河床がばっちり整備されており,多少水が出たくらいでは石が動かないのであろう。ホイホイ採集していたら,当初の予定だった300個の倍近くも採ってしまった。もっとも,どんなに採集しても心が痛まないところが外来種調査のいいところ。
貝の入った袋をぶら下げて帰途につく。途中,膳所で途中下車。だって金曜日だし,今日は海老豆が買えるから。
午後4時帰学,現在貝割りの途中である。