修論審査会である。ウチの今年の学生の課題は寄生虫の指標生物化の試みだ。
それはさておき,教育大に改めて気がついたことの一つに,学校等での河川ベントスによる水質の簡易判定の普及度がある。私は当然水生昆虫の研究者との付き合いが多いが,水生昆虫の水質耐性について真剣に調べている人はいない。個々の種類についてCODいくつ以下とか,溶存酸素何%以上なら生存可能などと実験的に確かめたという話は寡聞にして聞いたことがない(野外生息地での測定ならある)。少なくとも,水質の生物判定は津田以来全く進歩していないのは事実だろう。もういいかげんにこの段階を越えないとダメだなあなどとボンヤリ考えていたら,昨年の富山の研究会でこの問題を取り上げてくださった方がいたのでわが意を得たりと嬉しかった。こんなに普及した指標でも,しなければならないことはまだまだ山積だ。