今日のセミナー

今日の研究倫理セミナーの演者はN先生、自分の信じていた学説が間違っていた時、どうするか?という問題。これは純粋科学の場合は別に問題ではなく、むしろ新しい発見の芽になる可能性があるのだが、応用科学の場合は厄介。人の役に立つと喧伝された(場合によっては実用化された)研究成果が実は間違っていたり、真の要因が別にあったような場合、引っ込みがつかなくなるし、ましてや研究者自身が産業や市民活動の旗振りをしているような場合は、周囲の目もあって路線変更がしにくくなる。そこで勇気ある撤回のできる人というのはきっと少数なのだろう。環境科学も立派な応用科学であり、それに携わる人もこの轍を踏む可能性が高い(実際、世の中に溢れる怪しげな「環境にやさしい××」には、プロの研究者が加担していることが少なくない)ことはよくよく自戒しておくべきだと思う。