タール湖再び


タール湖へ遠足。乾季のタール湖は、前回の時より水の透明度も高く美しい。この櫓は漁のために魚を見張るものだそう。

今回の遠足では、初めてボートでタール湖を渡り、中央火口丘であるVolcano島に渡った。火口丘のてっぺんまで1時間ほどの道のりを、観光用のポニーで登らせてくれるのだが、ウチの一行は「歩きたい」という人が多く、歩いて山登りをすることになった。私も歩きたかったのだが、一番涼しい季節とは言えフィリピンの日中であり、熱中症気味になって真っ先にバテてしまった。火口丘から見るタール湖と外輪山の変化に富んだ眺めはとても美しかったが、実は写真を撮るのさえへろへろだった。

中央火口丘の中央にはさらに湖があり、その中に小島がある(従って、この小島は、”島の中の湖の中の島の中の湖の中の島”と呼ばれている)。ここは火山活動の活発な所で、温泉らしき濁った水の湧いているところや、岸に硫黄が析出して白くなった所もある。BさんやTさんは火口湖に行きたがったが、道が険しく簡単には近づけないという。人の近づかない火口盆地の中では、至る所から鳥の声が聞こえるが、残念ながら姿はほとんど見えなかった。遠目に、ナンヨウショウビンらしい空色の背中や、コウライウグイスかと思われるバナナ色の小鳥が飛びすぎるのを見ただけ。

帰り道は有り難くお馬さんの背中に揺られることにした。私を乗せてくれた、ロバみたいに小さな在来馬。

タール湖の湖岸にはシジミがたくさん打ち上がっていた。ここではシジミは漁獲対象ではないという。大きな死に殻には黒い革のような光沢があって、マシジミよりはヤマトシジミに似ているような気がした。タール湖はもともと海の入り江だった所がカルデラ形成によって陸封化し、淡水順応したウミヘビやイワシがいるという変わった湖なので、シジミも淡水産ではなく汽水産の系統かもしれない。