フランス革命の頃

カエルの寄生虫を同定していた卒論生Udon君が、少し昔の日本産カエル寄生虫リストにあった種がより新しいリストから消えているが、それは何故かと質問に来た。多分、属名が変わったか、シノニムになったのだろうと思って、どれどれと古いリストを見てみた。
Anguistoma bufonis (SCHRANK, 1788)
ふむ…って、1788年の記載!? リンネとほとんど同時代!?
そんな時代に日本のカエルの寄生虫を調べられたはずがないので(日本は天明8年で、大飢饉のまっただ中)、当然これは海外、おそらく欧州産の種だろう。おそらく、昔の研究者が日本のカエルから取れた寄生虫を安易に欧州種に比定してしまったものと思われる。あまりにも怪しく、かつ標本が残っていないので、新リストから消されたのだろう(残っていれば同定をやり直せるが、なければもう「不明」とするしかない)。
それにしても、昨年のごるごでら論文での引用文献最古記録(Von Baer, 1827)がまた更新されそうだ。ついに18世紀に突入。