コモチカワツボの倍数性、最近の研究

ここ1,2年の間に、コモチカワツボの倍数性と生殖に関わる論文がぼこぼこ出てきた(Neiman, et al. (2011) Evolution 65: 3202-3216 等々)。このテーマに関するまともな研究成果は約20年ぶりだろう。それによると、コモチカワツボのDNA量はきっちり整数の倍数にはなっておらず、さまざまな変異が存在するらしい.核型解析はまだだが、おそらくそれもカワニナ並みにごちゃごちゃなのかもしれない。このような多様な変異個体が生まれる原因として著者は3倍体以上のオス個体が減数分裂によってへんなDNA量を有する精子を生み出す可能性を挙げている.実際、フローサイトメトリーで3倍体のオスから2.X倍体らしき細胞が見つかっているという。そうだとするとコモチカワツボの場合,3倍体イコール単為生殖個体ではないということになるが、問題は、著者は一言も「3倍体個体から活性のある精子を見つけた」と言っていないこと。うーむ、ここまできて何でそれを確認していないのか、どうも気になる。