久し振りに淡水貝研でカワニナ話を喋った。カワニナの分子系統について手に入る限りの過去文献(と言っても,数件の学会要旨のみ)と照合してみて,調べた遺伝子やアロザイムによってかなり違う結果になるという話である。要はそれぞれの部位の分子進化モデルについて何がしかの検討をする必要があるということ。
N野さんのカワヒバリは,稚貝期にかかる捕食圧の推定と,今後おこなう予定の魚を用いた捕食実験の計画について。私たちの研究水域では,同じ水系の止水域なのに,琵琶湖と天ケ瀬ダムのダム湖カワヒバリガイの生息密度が全然違うのがずっと気になっているのだが,魚類の現存量と関係あるのだろうか。
ちなみに,下の写真は今年の5月に解剖した宇治川産コウライニゴイの消化管からつまみ出したカワヒバリガイの殻。流れの緩いところではかなり捕食されているようである。