今月末に,ウチの大学の推薦入試がある。今日,雑談でその話をしていたら,ある教員がこういうことを言っていた。ある高校で,そこの教員から「県大は推薦をしても落とすことがあるので,生徒には勧めにくい」と言われた,というのである。今日日,私学の推薦などではほとんど落とされることはないらしい。
受かりやすいかどうかを評価されるということは,まだまだここの大学は,対外的には中身を評価されていないということを言っているに過ぎないが,それにしても,卒業生が大学進学後にどういう教育を受けるかではなく,どこの(知名度の高い)大学に何人入れるかが高校の進路指導なんだな,と,当たり前のことをまざまざと感じる。もちろんこんな教員ばかりではないだろうが,大学に向かって「採ってくれなきゃ推薦しませんよ」と言わんばかりの足元見たようなことを言う高校は,どういう理念で教育をしているのだろう。
もう大学全入時代なのだから,そろそろ「どこそこ大に何人合格」というランキングがナンセンスであることに気づいて欲しいものだ。大学の(大学院も)名前は変わっていなくても,20年30年前と中身も同じ,と思っている大学人は,たぶんどこにもいないだろうから。