ホタルとどう付き合うか

今日は,天気が良かったら彦根城でも見に行ってみようかと思ったのだが,あいにくの曇天で,わざわざ物見に行く気も起こらず,結局大学へ。ナマズ虫をかけた貝の半分を割った。
さて,M市のホタル,および外来種の貝とどう付き合って行くか。これは,M市ならではの事情が若干あるため,少々難しい点がある。
M市のホタルが観光資源となった歴史は古く,当時は,明治-大正期に遡る。大阪や京都からも観光客が訪れ,お土産の菓子も作られていた。ホタルを出荷する専門の問屋まであったというから,一時期は乱獲されたこともあったのだろう。
たいていの場所なら,ホタルはきれいな水のシンボルとして,そのような環境を取り戻すための方便であるということで何の不都合もあるまい。そして,取り戻すべき環境とは,高度成長期以前の,あるいは戦前の田園風景ということになるのだろう。しかし,M市の場合はどうか。取り戻したいのはきれいな水だけなのだろうか。住民にとっては,都会からホタル見物に訪れる観光客で賑わう町,という所までが,暗黙のうちに「ホタルによって取り戻したい環境」の範囲に入ってはいないだろうか。もし,現在のホタル放流路線を変更するとしたら,いったいM市として目指すゴールは何なのか,一度徹底した住民討論が必要になるだろう。生態学的な視点を主張するだけでは,M市の場合はきっと上手くいくまい,と思う。
なんか環境FWのネタになりそうだ。だれかやってみないかな。