ため池と水田の生き物図鑑 (動物編)

ため池と水田の生き物図鑑 (動物編)

田んぼの生き物図鑑 (ヤマケイ情報箱)

田んぼの生き物図鑑 (ヤマケイ情報箱)

10日の差で出版された2冊の田んぼの生物図鑑。どちらも甲乙つけがたい。
トンボ出版の方は,教育現場におられる方々が編集の中心になっているので,解説も学術的というか,かなり堅くて専門的。編者の中に医学部の先生が二人も入っているという面白い構成で,そのためか所々に寄生虫絡みの解説がちょこっと入っているのが個人的にはツボ。
山と渓谷社の方は,何といってもプロによるすばらしい生態写真が最大の魅力であり,解説文の中に撮影中のエピソードが数々盛られているのも,フィールドの生き生きした感じが伝わってきて魅力的。オタマジャクシや魚の稚魚の比較写真も同定には便利そう。囲み記事のトピックも非常に興味深く(「ジャンボタニシ有機農法」っていうのは初めて知りました),環境教育の糸口としても面白そうなネタが多い。サワガニを「肝臓ジストマの宿主」と書くなどちょっとしたミスはあるが,それもそんなに大きく価値を下げはしないだろう。