カワヒガイのココロ

朝から柳川で採集,さっき帰学。今日は朝から雨にたたられ,昼前からは気温がぐっと下がって風が強く,寒いのなんの。帰りの車の中では,短時間だが横殴りの吹雪まで到来。これが3月下旬の九州か。
この3年間に柳川で採集したカワヒガイはのべ70個体を越え,今も10数個体を研究室でキープしているのだが,このカワヒガイ,今でも何を考えているのかよくわからないサカナである。まず,モンドリ,投網で採れたためしがない。今までの採集は例外なく,もっとも原始的な採集方法(タモ)による。しかも,とれるポイントがよくわからない。タナゴ類やオヤニラミのように澱みや水草の陰でのんびり,というわけでもなく,オイカワのように早瀬をスイスイ,というわけでもない。飼っている個体を見ると,水槽の壁にタテにとまっていたり,隠れ場所として入れてある植木鉢のかけらの下で仰向けになっていたりするので,石などに寄りつく性質があるのかと思ってそういう場所を狙ってもとれない。典型的な捕れ方は,大抵のサカナのポイントにはなりえない,割合に浅い平瀬で,水草もしょぼしょぼとしか生えていないような所で「なぜか捕れた」というものである。今日は,学生が網を引きずって平瀬を歩いていたらいつの間にか網に入っていたそうだ。そういえば,魚捕り初心者が捕ることの多い「ビギナーズ・ラックの魚」でもある。
このヒガイには変な寄生虫がついているのだが,宿主もへんな魚だ。そういえば,寄生虫から見るとヒガイは何となく汽水生態系に縁がありそうな気もするのだが…でも,コイ科の純淡水魚なんだよなあ?…
今日はヤマノカミ,カゼトゲタナゴも捕れた。これらは現場で鑑賞したのち放流。