漁協さんとのおつきあい

昨日、魚類採集に出掛けた学生たちが、地元の漁協に見とがめられていろいろ言われたらしい。勿論県の採捕許可はとっているし、大体私たちが魚をとっている場所は漁業権水面ではないので、法的には漁協から何か言われる筋合いはないのだが、そういうのとは別の理屈で動いているのがジモトというものだ。そして、この場合正しいのは常にジモトなのである。川は行政のものでもなければ研究者のものでもなく、そのほとりで日々を暮らしている人たちのものなのだから。そういう人たちの理解を得て、地元ルールに従わなければフィールドワークはうまくいかないのは常識だ。菓子折りや一升瓶だって必要経費である(さすがに研究費から落すのは無理ですけど)。

以前、ある方(水産学科卒業)から聞いた話だが、その方はアワビが卒論のテーマで、漁協長の許可をとったうえで、禁漁水域にスキューバで潜り、アワビの観察をしていたそうだ。ところが、ある日彼が調査を終えて浮上してくると、いきなりボートの上から棹でしたたかにブン殴られたそうである。彼の調査を承諾したのは漁協長一人で、下々の組合員には全く話が伝わっていなかった…という、ありがちなお話。

漁協とのおつきあいもなかなかに難しいものである。