インターネット先進国

先日、アメリカの博物館から寄生虫の標本を借用したところ、依頼からたった2日で到着したので吃驚した。どうやら国際宅配便というやつで、料金はそれなりに高いものの、荷物のトラッキングができるので貴重品でも安心だし(海外の郵便事情はブラジルやロシアでよくわかった)、何よりも速い。これは便利と、早速大学の会計にその会社との契約をお願いし、同じ会社の便で標本の返送をすることにした。

ところが、実際に利用する段になって、さんざん手こずる事態が発生した。その理由は、同社のHPのとんでもないわかりにくさにある。
同社(仮にA社とする。勿論米国の会社)の日本語HPには、「A.co.jp」と「A.com/jp」の2つがある。そして、この両者で内容が違うのだ。例えば、前者には通関書類をオンラインで作成できるページがあるが、後者のそのページにはアカウント番号がないと入れないようになっている。また、後者の「通関書類の記入方法」のページには、手書き書類の書き方が出ているだけで、オンライン書類作成のページにはリンクさえ貼っていない。とにかく、自分のほしい情報がどこにあるか分かりづらいし、一度見たことのあるページに再びたどり着くのさえ至難の業なのだ。それで、結局何度も何度もカスタマーサービスに電話するはめになった。

いくら便利な宅配でも、これでは次に利用する気が失せる。インターネット先進国の企業のHPがこんなものなのか、それとも、最初から日本の顧客を獲得しようという気がないのか。

海外の郵便に日本と同じサービスを期待してはいけないのは知っていたが、宅配便もある程度事情は同じようである。