試験週間

3回生の選択授業のオンライン課題提出(という名の試験)日。先週、1回生の授業での感想提出の時、Formsへの接続トラブルが続発したので、一応予備問題も用意して試験時間中はずっとパソコン前にスタンバイしていた。先ほどFormsを確認したら,履修した全員がちゃんと時間内に提出していたようでホッと一息。やれやれ。さて次は金曜日の1回生のオンライン課題の準備だ。

それはそうと、先月末から大学教務に問い合わせのメールを出しているのに返事が来ない。今週の土曜日は休日出勤するのかしないのか、早く教えてくれ。

 

使い回し

今年度、委員の仕事として人権問題研修会を企画しなくちゃいけなかったのだが、先週まですっかり忘れていた(先月の委員会でも誰もリマインドしてくれなかった…)。事務局に言われて慌てたのだが、丁度よいことに9月にK大学で講演したスライドがあるので、これをオンデマンド教材として編集しなおすことにした。普段は大学院生に講義している内容だけれど、一度教員全員に見てもらって悪いことはあるまい。

卒論の題目を非開示に?

大学の多くの研究室の公式・非公式のウェブサイトでは、その研究室に所属した学生の卒論や修論、博論のテーマを公開していると思います。その研究室に入ったらどんな研究ができるのか、最もダイレクトな情報が得られますから、大学選びや大学院選びの参考にしたという人も多いのではないでしょうか。

ところが、下記の論文によりますと、大学での卒論、修論、博論の公開については、「独立行政法人における情報公開」と「個人情報の保護」という対立した2つの側面があり、国立大学協会も事実上公開の可否は「各大学に投げている」状態のようです。この中で博士論文については文部省令「学位規則」によって公開が決められており、平成25年までは国会図書館や各大学の図書館、それ以降はネット上で公開することとなっており、多くの大学ではリポジトリ等を作成して公開しています。それで、私は博士論文は全部、何らかの形で公開されるものだとずっと思っていました。しかし、聞いたところによりますと上記の「学位規則」に罰則はなく、もし公開用のデータなどを渡さなければ、事実上非公表にすることもできるそうです。下記の論文によると、それどころか国立大学の中には堂々と「博士論文も非開示」としているところもあると初めて知りました。かなり驚きです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/archivalscience/3/0/3_12/_pdf

ところで、ウチの大学は今まで、学部年報などにその年の卒論や修論の題目を載せてきましたが、今、それを非公開にする、という通達が来ています。卒論や修論の本文ではなく、題目です。著者である学生の名前を伏せても駄目だというのです。卒論や修論著作権は基本的に学生のものなので、本人の同意なしに開示してはいけないというのはまあ理解できますが、同意の有無に関わらず開示は駄目、著者名を伏せても駄目というのはなぜなのか、まったく理解できません。その研究室の仕事内容を最も直接に示す卒論の題目さえ非公表というのは、それこそ情報開示の原則に反するのではないでしょうか。それから、以前前職の大学で、学生の卒論の内容を自論文として紀要に掲載した教員が盗用と認定されて懲戒処分になったことがありましたが、卒論の非開示というのはこのような「学生の研究の横取り」の横行を招くことになるのではないか、ということを危惧する内部者もいます。いったいどうしてこんなことになったのでしょうか。

基礎を大切に

1回生の生物学の講義,最終回の課題は「15回の講義で一番印象に残ったこと」を挙げてもらった。まだ締切前なので一部の学生の意見しか見ていないが、予想以上に印象に残った場所がバラバラなのに驚いた。授業で特に強調した場所、例えばメンデルの法則の用語の転換だとか生命の起源についての最近の学説、あるいはウィルスについての基礎知識などは予想通りという感じだが、もっと基礎的な部分、つまり高校教科書に載っているレベルのことでも「印象に残った」という学生がかなり多いのである。「DNAが遺伝情報ということは知っていたけれど、実際に塩基配列からアミノ酸配列に置き換えるのは初めてだったので面白かった」とか「アロステリック酵素をアニメで見たこと」とか「呼吸でエネルギーを得る過程がすごく複雑だということ」という感想が出てきた。おそらく半分以上の学生が高校で「生物基礎」までしかやっていないので、高校レベルの話でも目新しく、面白いと感じたのだろう。高校で受験のために「生物」を勉強した学生にとっては「暗記ばかりさせられた」という記憶しかないかもしれないが、こういう本当に重要な基礎事項を面白く講義すること、またそのことを発見した過去の研究者のすごさをきちんと伝えることをもう一度しっかり考え直さなければ、と思う。

仕事のプロは何処に

秋に受理された院生Tさんの論文(アルゼンチン留学の成果)が公開されました。受理からかなり長くかかりましたが、原因の1つは最初に来た校正刷りのレイアウトが滅茶苦茶だったため。図の挿入位置も適当ならばインデントも原稿とはぜんぜん違う有様で、全面的にレイアウトの修正を指示する羽目になりました。筆頭著者のTさんは頭を抱えていましたが、私も長年投稿していてここまで酷いのは初めてでした。出版経費を節約している国内誌などでは著者にレイアウトさせるという雑誌もありますが、普通はプロの印刷屋さんがするものではないのでしょうか。

そういえばついこの前に来た査読依頼も、引き受けて読み始めてみたら、その雑誌の目的にまったく合わない研究でした。普通、こういうのは査読者に回す前に、編集委員の方で判断して別雑誌への投稿を勧めるものです。そこで編集委員に「これは内容が貴誌に合わないのでは?」とメールすると、「仰るとおりですね」という返事が来ました。ちゃんと仕事してほしい。

link.springer.com

フルボッコ

土日は「今日はこれだけやる」と決めてマイペースで仕事を進められたのだけれど、ウィークデーは違う。朝から、頭の中からすっ飛んでいたあれこれの問い合わせのメールやら電話やらが入ってくる「先生、今年度の研修会は…」「修論発表会の案内はもう出ていますか?」「○○の締切が…」。防御していないお腹にボディブローを浴びるようなもので、一々堪えてなかなか予定の仕事が進まない。あうう。