そぼ降る中で

恒例の川虫実習です。場所は昨年に引き続きS川。天気予報では今日は曇り,気温低めということで、防寒さえきちんとしておけば野外実習には問題ないと思っていました。ところが実習中に2度に渡り、作業を続行するには少々しんどい、でも実習を中止するほどでもない感じの雨になり、しばらく雨宿りをする羽目になりました。かなり寒がっている学生もいたので、念のために持ってきていた使い捨てカイロを希望者に配りました。雨雲レーダーをチェックすると、雨になったのはどうやら局所的に滋賀県北部だけの様子。強力な雨男か雨女でもいるんでしょうか。

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今日は外気温より水の中の方が暖かでした。水温は約16度,気温は12度。

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昨年と違い、水位は十分低かったので採集ポイントは減らさずに済み、上着が濡れて寒い思いをした学生もいなかったようです。

 

プチ電気修理

祝日授業日。なのだが私は今日授業がないので普通に祭日。なのだが明日は野外実習なので準備のため結局出勤。久しぶりにポータブル溶存酸素計を取り出して動作チェックしていたらいきなり乾電池を止めるバネがポッキリ折れてしまい、ホームセンターで小さなバネを買ってきてテープで貼り付けて応急処置(なんとか動いた)。実習が終わったらハンダ付けでもしてみるかいな。やったことないけれど。

夜になってから急に北風が強くなってきた。明日の川虫実習は寒そう。

寄生虫学会員は岐阜提灯を知ってますか

分類学の論文を書いていると、ムシの形を形容するのにどんな言葉を使うか、英語では何というかで頭を抱えることがよくある。卵形(oviform)、洋梨状(pyriform)、棍棒状(club-like), 紡錘形(spindle-shaped), バンジョー形(banjo-shaped)等々使い分けるのだが、今日、日本語の論文で「岐阜提灯形」というのを見つけた。こういう英訳困難で、しかも日本人でさえ「?」となる形容はやめてほしい。

逆に回してみたら

今日の講義は呼吸のところ。生物嫌いな人にとっては暗記ばかりで辛いところなのでちょいとスパイスに毒の話(ヒ素とか青酸とか)を入れたりしているのだが、今年は寄生虫にみられる逆クエン酸回路(嫌気的環境に住む生物にはこれをもつものがいる)の話をしてみたら結構食いついてきた学生がいた。一方向だけの回転だと思っていたものが、酸素のない環境では逆回転して別の機能をもつということを知るのは結構ハッとする体験なのだろう。教科書定番の現象も、進化的な視点を入れるとぐっと面白くなる。

ようやく決定

旅行会社からやっと国費留学生の渡航日の連絡があった。飛行機の減便でなかなか希望日のチケットが取れないため、渡航希望日は「だいたいこの週」という感じで旅行会社に伝えてあるのだが、渡航日の1週間ちょっと前にやっと日が確定するというのはいかにもドタバタ。日本へ入国する際には72時間以内のPCR検査の陰性証明が必要なため,留学生はこれから本国でPCR検査の予約をしなければならないのだが、ちゃんと予約できるかどうか心配である。なお、入国後にはホテルで2週間の検疫が待っているため,彦根へ来られるのはまだまだ先である。

休講の影響

今日から川虫実習で、第1回目は地形観察と地図作り。ところで、2回生の半分ぐらいは前期に環境地球科学実習(地学系)を受講しており、その時に地図づくり、クリノメーターの使い方、底質粒度の表し方等は習っている。それで例年なら「地図の作り方知ってるね?じゃ、川でやるよ〜」で済むのだが、今年の学生に聞いてみたところ「やっていません」という返事。今年の前期実習はコロナで圧縮バージョンになってしまったため、地図づくりは端折られてしまったらしい。しまった。慌ててクリノメーターの使い方のプリントを配布し、うろ覚えの記憶を掘り出して使い方指導。それでも、あとで各班の作った地図を連結した時にどう見てもベースラインの方向がおかしな班がぞろぞろと出てきて、しばらくあーでもないこーでもないと揉めることになった(最終的にはなんとか繋がったけれど)。やれやれ。

夕方、実習が終わってその足でアジアフィールド実習の説明会。今年度は4年ぶりにフィリピンへ行く予定だったのだが、実際の渡航は当分無理なのでオンラインでの開催を予定している。今日は4年前の実習に参加した学部生のMさん、院生のN君がこの実習での経験についてプレゼンテーションをしてくれた。4年経って二人共その後の成長が目覚ましいのがよくわかる発表で、やはり早くから多様な社会に触れる経験をしておくことは重要だなと改めて思う。