春休みの自習に寄生虫をどうぞ

昨日から,サイトへのアクセスが普段の倍ぐらいになっています。特定のページへのリンクがある訳でもないので、これは学校が休みになった生徒さんたちがネットに耽って巡回してきているということなのでしょうか。だとすれば、ここで中高生のためになる事を書いておくのがよいかもしれません。

 

もし寄生虫に興味があって、「自分で寄生虫を見つけてみたい!」「研究してみたい!」という人がいましたら、こちらの本に中高生でもできる観察方法を書いておきました。田んぼの周りの溝にいる貝やスーパーで売られている魚など、寄生虫は案外身近な場所でも見つけることができます。簡単な顕微鏡があれば十分に観察できますので,長い春休みの間に自由研究をしてみたい人はぜひ挑戦してみてください。あ、私に直接メールで質問してくれてもOKですよ!

湖と川の寄生虫たち (琵琶湖博物館ブックレット)

湖と川の寄生虫たち (琵琶湖博物館ブックレット)

 

 

新亜種報告

いろいろなミスが重なって遅れてしまったマレーシアの鳥類吸虫Morishitiumの論文がやっと出ました。この属名は日本の寄生虫学者・森下薫にちなんだものです(この日の記事もご覧ください)新種にするかどうか迷ったのですが、ヨーロッパの既知種と地理的に離れている割には遺伝的距離がそう遠くないため、連続的に変化している可能性が高いと判断し、新亜種として報告しました。スズメ目のかなりいろいろな種から報告されているので(マレーシアでの宿主はムクドリ科のミドリカラスモドキ、ヨーロッパではクロウタドリなど)ユーラシアに広く分布する可能性が高いです。日本からは未報告ですが分布する可能性は十分あるので、野鳥の剥製を作ったりする機会のある方は見つけたら教えて下さい。一見プラナリアと見紛う大きな吸虫で、ムクドリ程度の小鳥にも何十匹も寄生する場合があります。

www.sciencedirect.com

とばっちり

お昼に隣の学科のS先生に会った。S先生は花粉症だそうで、マスクが品薄の今日この頃つらい思いをしておられる様子。花粉が衣服に付着して持ち込まれると部屋の中でも目がかゆくなるという話を聞いて,私の研究室に空気清浄機があることをハッと思い出した。何年か前に卒業生からプレゼントされたのだが、私は花粉症ではないのでめったに使わない。S先生に「しばらく貸しましょうか?」と言ったら「卒業生の方にお礼を言っておいてください」と大喜びでお持ちになられた。思わぬ役に立つことになった。

こんな中でも

年度末の学会や会合が相次いで中止になっているが、さすがに入試は中止にはなっていない。今の所インフルエンザなどに比べてコロナウイルス感染者ははるかに少ないので(といっても軽症や無症状のまま診察を受けていない人も少なくないだろうが)影響は小さいようだが、後期入試はどうなるのか、やや不安なところである。

採用になった研究費、なかなか連絡が来ないのでやきもきしていたら、今日の夜になって「一週間以内に来年度の計画書を提出すること」と連絡があり、それから関係者にメールを送りまくってドタバタ。