くねくね一発変換

あけましておめでとうございます。新年は2日にラボ初めとなり、今日は1日中DNAを絞り出していました。

大学院時代のラボメートが台湾で科学書などの翻訳業をやっています。日本語・英語が達者でいくつも訳本を出している彼女ですが、今取り掛かっている本には(生物学書ですが)和歌がたくさん引用されているそうで、さすがに古文を訳するのは困難らしくヘルプ要請が来ました。平安後期以降の和歌はお題と用語がだいたい決まってくるため字面だけ訳するのは難しくありませんが、同じような歌でも、どのような部(”春の部”、”恋の部”等)に置かれているかで意味が変わる場合があります。そこで、ネット上に訳文が見つからないマイナーな和歌の場合はデータベースで出展を探し、国会図書館デジタルコレクションで写本を探し、部立て、詞書、前後の歌の並びを確認してから訳を作りました。私は変体仮名のくずし字も少し読むことができますが(無論、辞書は欠かせません)、そう言えば最近AIでくずし字の読めるアプリが出たということを聞いたので、早速ダウンロードしてデジタルコレクションの写本を読ませてみました。その結果はお見事で、裏写りしている墨書の写本でも一発変換です。漢字は時々読み間違っていますが、かな文字は9割ぐらい正解している感じでした。これは役に立つアプリです。これから、博物館で昔の手紙や古文書を読む楽しみが増えるでしょう。

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