カヌーコース見学

3回生Iさんの卒論の下見のため、隣の県のI川河川敷に設けられているカヌーコースへ行きました。カヌー部の先輩であるKさんとT先生(元カヌー部)も一緒に来てくれました。

低河川敷を掘削して作ったスラロームコース。要は人為的なAa河床と言ったら良いでしょうか。

IさんやKさんからカヌー競技のルールや、コースに必要な環境の話を聞きました。素人の私はただちょっと複雑な急流ならばOKなのかと思っていましたが、競技にはバックウォーターのできるような淵が必須なのだそうです。ということは、人工的にカヌーコースを整備すると、流れの渦巻く淵やトロ的環境が生まれることになります。小型魚や底生生物のすみかとしては厳しいかもしれませんが、遊泳力の強い大型魚にはよい環境かもしれません。ちなみに、この辺りはアユ釣りの名所ですが、カヌーコース内の岩にはアユのハミアトがたくさん見られるそうです。今後ここでどんなデータを取るか、あれこれ考えました。

このコースの維持管理をしていらっしゃる地元カヌー協会の方にお話を伺いました。整備当初はもっと直線的なコースだったのだそうですが、増水時の流れが強すぎて、せっかくコース内に設置した岩が飛んでしまったのだとか。現在はコース幅を狭めて蛇行させてありますが、その方が流れが緩くなり、河床にかかる掃流力が弱まる訳です。このコースが出来てから6年になるそうですが、毎年、流れ具合などを見ながら少しずつ補修を加えているのだそうです。試行錯誤をしながら時間をかけて少しずつ、維持管理しやすく安定な形状へと代えていくというやり方は、川のいじり方としてまさにそうあるべきやり方です。最初からがっちりと作ってしまうと、だいたいすぐに壊れるか埋まるかするものです。

なお、このへんの小さな支流や沢は、こんなふうにコンクリートU字溝状態になっているところが多いようでした。地質的に崩壊しやすいなどの理由はあるのかもしれませんが、ちょっと悲惨な感じがします。