縦割り行政

Udon君の修士研究で、各地で駆除されるアカミミガメの寄生虫を研究することになった。ところで、爬虫類が対象となると、動物実験の倫理に従って飼育や安楽死を実施する必要が出てくるので、大学の委員会に申請書を提出した。実験に必要な個体数について「各地の外来種駆除作業で捕獲される個体をもらい受けて使用、こちらの作業量の限界のため、2年間で100個体程度が上限」と書いたところ、委員の先生からの返事はこうだった。
文科省による『研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針』に は,『科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限りその 利用に供される動物の数を少なくすること』とあるので,この考え方に沿って記述をお願いします」
仕方ないのでこう返した。
「アカミミガメは環境省管轄の『特定外来生物による生態系等にかかる被害の防止に関する法律(外来生物法)』において、『要注意外来生物』に指定されており、さらに、生態系に対する被害は既に明確に指摘されているとして『特定外来生物』への指定が検討されております。そのため各地で駆除が行われており、本研究は殺処分される捕獲個体の一部を引き受けて研究に供するものであるため、そもそも「動物愛護、または保護のため殺処分を必要最小限にとどめる」という状況にありません」
さてこの文科省vs環境省の勝負、どうなることやら。