午前中に学科人事についての懇談会があり、今度の公募にはどんな分野の人が望ましいかの意見交換。もちろん意見が簡単にまとまるはずもなく、四分五裂したまま時間切れになった。学科長は「船頭多くして船山に登るだなあ」とぼやいておられたが、私は「少ない船頭にへんな所へ連れていかれるよりはマシじゃないですか」と答えた。私は今までの経験上、人事はできるだけ大勢で行うべきだと思っている。理由は2つある。まず、大勢の応募者の業績全部に目を通さなければならない人事選考というのは非常に勉強になるので、できるだけ若い頃から経験しておくべきである(昔、私の出身研究室では、大学院生が教官候補者の業績をみな読んで評価をしたのだ)。それから当たり前だが、なるべく大勢の目で判定した方が人事はより公正になる。一部の人間の独断で変な人が来てしまった場合、周囲だけでなく、採用された本人も不幸だ。研究業界のあちこちで「何であなたが?」などと言われることになるのだから(と経験者は語る)。それから多数決もできるので、一部の人間のゴネで選考が遅れることを防げるというメリットもある。この大学は今後どこまで「開かれた人事」ができるようになるのかな。