白昼狐

このところ、出勤時に急いでいないときは、しばし赤い橋の上に自転車を止めて川を眺めている。そろそろビワマスの産卵期のはずなのだが、今年はまだ産卵床を見ていないので、親魚の数が少ないのかもしれない。
ところが、今日は珍しいものを見ることができた。、残念ながらカメラを持っていなかっため写真はとれなかったが、一匹のキツネが中洲をとことこと歩いていた。深夜には数回目撃したことがあるが、日中に全身を見るのは初めてである。キツネ色というより、やや灰色味の勝った毛色の個体だった。こちらに気がついて橋の方を振り向き、しばらくじっと注視していたが、やがて慌てる風もなく草むらの中に消えていった。警戒心の強いホンドギツネが、人間に気がついてもあれほど悠々としているというのはちょっと意外であった。これでまた、毎朝のリバーウォッチングの楽しみが増えた。