大学とは全く関係ないところからお誘いがかかって,大戸川ダムの予定地の見学に行ってきた。
集合場所はアクア琵琶で,ここで本日の講師,元淀川流域協議会のM本さんから琵琶湖・瀬田川の水害史に関する説明があった。ところでアクア琵琶は,隣の学科の卒業生のN君ことギル人さんの職場である。どこかなあと覗いてみると,ホールで地元の高校生に魚についての講演をしていた。

アクア琵琶は琵琶湖河川事務所と水資源機構の運営であるので,当然のことながら建物と治水・砂防に関する展示は非常に立派である。その中で,魚に関する展示だけがギル人さんのお手製らしく,そのギャップがなんともいえない。なおアクア琵琶の正式名称は「水のめぐみ館 アクア琵琶」なのだが,全体的に水のめぐみよりも水の脅威を訴える展示内容である(ギル人さん製作部分を除いて)のがちょっと皮肉っぽい。

大戸川ダム建設予定地に放置されている作業用の仮設橋。ダム本体予定地の周辺では,今のところ,すぐ判る目印はこれだけである(付け替え道路の工事は進んでおり,これはダム建設が凍結になっても地域振興のために継続される)。

午後からは信楽に会場を移してM本さんの講演があった。川の防災と減災,ダム建設地(大戸川ダム以外)の集落の実情,公共事業のアカウンタビリティについての非常にわかりやすい話。帰りに駅まで車でご一緒したので,その間に天ケ瀬ダム再開発等の現状について情報をいただいた。私たちの調査している腹口吸虫症の発生地は天ケ瀬ダム直下の宇治川であり,再開発による宇治川の流量や河川形状の変化はおそらく魚病発生率の変化を招く。よい方向への変化ならよいが,悪い方向へ行く可能性があるかどうか,考えていかなくてはなるまい。