「かわんちゅ」の1回生が、「ホタルの舞うキャンパスにするための署名をお願いします」とやってきた。ちょっと待て、ついこの前「ホタルとカワニナのことを勉強したい」と私から本を借りていって、調査方法などを聞きに来たばかりなのに、いったい何の署名?と聞くと、「街灯が明るくて邪魔なので」と言う。いくらなんでも時期尚早すぎる。まだ、構内のキャナルにホタル類が生息可能かどうかの調査も行っていないのに、もう他人を動かす気になっているのか。調査結果が出てからおいで、とひとまず引き取らせた。
環境問題の現場では活動力というのはもちろん重要で、尻が重くてはどうにもならないということも多いのだが、そもそも他人を動かすための最大の説得力は科学的データで得られる(ウチの学科の場合、その科学とはもちろん自然科学である)ということを、一度みっちり教え込まねばなるまい。そうしないと気ばかり逸ってスリップする人間になってしまう。