ハリガネの縁

昨日、B博に来ていた鹿児島大の学生N君が研究室にやって来た。滋賀は初めてということで、ハリガネムシの採集をしつつ、寄生虫一般についても話を聞きに来たのである。この辺での採集情報ならBB君がよく知っているはずだ。
N君の指導教員は昆虫の研究者で、ハリガネムシが宿主の形態に与える影響を調べているということだ。なるほどそういう切り口か。ただ、寄生虫本体を扱うテクニックはあまり知らないようなので、プレパラートの作り方などを簡単に教えた。最初はシュミット=レーサさんに同定を頼むにしても、いずれ自分でしなければならないだろうから。
今回のワークショップで最大の収穫は、あちこちの離れた大学にいる、ハリガネムシに興味のある学生さんたち同士につながりが出来たことかもしれない。まだα分類さえ不十分な段階で、研究材料としては前途多難な生物ではあるが、この人的ネットワークが生かされ、日本のハリガネムシの生態に関して、これから少しずつ記録が蓄積されていくことを期待しよう。