5本目の指は誰だ

B博で、ハンブルグ大学博物館シュミット=レーサ博士によるハリガネムシの講演会。出席者は広島や鹿児島といった遠方から駆けつけた学生さんたちも含めて約20名弱ほどだった。ちなみに、午前中に行われた同博士によるイタチムシワークショップの出席者は9名。勝った(笑)。
日本から記録されている淡水生ハリガネムシは3属11種、そのほかに種まで落とされていないのが1属だそうだ。しかし、日本のハリガネムシ研究は1960年代で事実上止まっているので、まだこの種数は相当流動的だと思ってよいだろう。
以前からの疑問である、まだ昆虫から出てこない若いムシでも同定可能かどうか聞いてみたら、成虫のクチクラが形成されない限り、形態分類は無理だという返事であった。それじゃ、ハリガネムシの生活環の研究をしようとしたら、一々成虫まで育て上げるか、分子同定するかしないとダメなわけである。厄介な生き物だ。
ちなみに、シュミット=レーサさんによれば世界でハリガネムシ研究者は4人しかいないそうだ。もし今、誰か一念発起してハリガネムシで学位を取ることを志せば、すぐ日本で第一人者、世界で5本の指に入れる。
晩は同氏を囲んで懇親会。B博からGさん、K岡さん、Sさん、つかやん(なぜかシュミット=レーサさん相手にショーペンハウエルについて語り出す)。それから水生昆虫のU西さん、および学生さん2名の参加。
…つくばでsataniiさんが叫んでいるのが聞こえたような気がした…