小ネタその後

小ネタ論文が絶妙のタイミングで返送されてきた(某学会誌編集委員Hさんの仕事振りに拍手)。おかげで出張中にあっちでしなければならないことが増えた。仕事のスムーズな進展という点では喜ぶべきことだけれど,スケジュールがきつくなったことは悲しむべき。もうちょっと日程に余裕をもたせるのだったなあ。
それにしても,文献学?というのは(本来,私はこういう重箱の隅をつつくような仕事は好きなのだけれど)想像以上にやっかいだ。著者本人が何を認識し,何を考えていたかなどという考察は全部かなぐり捨てて,ただ,100年以上たった現在の基準に照らし合わせて,どの記述が有効でどれが無効かを拾い出していく作業であって,強烈にイライラする。文献学の成果はせいぜい学名を変更する程度のことであって,生物の性質の何かが明らかにされるわけではない。しかし,人様が今後の研究で混乱することのないよう地ならしにはなるし,何よりも「自分は将来こういう面倒の種は蒔かないようにしよう」という他山の石にはなる。
とにかく,私の「日本産カワニナ類原記載コレクション」もなかなか充実してきた。まだコンプリートはしていないが。