筑後の水浴び

朝から特急「ゆふ」に乗って日田へ。アユに食わせる中間宿主のカゲロウの採集である。
大山川は近頃出水がないということで,川底がかなりきたない。大山川は昔は水量が多かったので,河床に巨大な礫や岩盤がむき出しになっている箇所が多く,水量が減った今では(それでも3年前からやや増量されているのだが,やはり自然流量の1/5程度にしかならない)河床材料が非常に動きにくく,はまり石が多い川だ。動かない石にべったりと茶色の藻類がついている。上流にかなりの人家があるし,ダムもあるので水質改善はすぐには難しいだろう。早く,流域全地域で下水が完備されてほしいものである。
午前中掛けて3人がかりでカゲロウを集め,昼過ぎに博多へ戻る。長靴などは学生に預け,私はカゲロウの入ったトロ箱と要修理の投網を抱えて一路彦根へ戻る。帰りの電車の中で,腕が赤く日焼けしているのに気がついた。やはり九州の日差しは強い。
新幹線(なんで「真感染」と変換される?)は立ち客も多い混雑で,人いきれで暑くてならなかった。隣の列に盲導犬を連れた女性が座っていて,犬は混雑の中おとなしく寝そべっていた。犬も暑かろうに,偉いものだ。
午後6時半県立大着,すぐにアユにカゲロウを投与する。カゲロウは数えてみたら819個体であった。配合飼料しか食べたことのないアユがすぐに食ってくれるかどうか心配だったが,どうやら食べていたようである。ただ,終齢に近い大型の幼虫にはアタックはするものの,うまく口に入らない場合が多いようであった。それでもアタックの度に体がばらばらになるに違いないので,いずれは食べてしまうだろう。あとはカゲロウにうまくムシがついていてくれることを祈るのみ。