放生その後

K新聞社から電話。琵琶湖の竹生島で行われている放生会で使われるカメについて教えて欲しい,ということである。確かに都久夫須麻(おお,一発で変換された!)神社に朝鮮半島出身の方々がお参りに来て,カメを放生することがあるそうで,竹生島周辺には変なカメがいるらしい…という業界内の噂話は聞いたことがあるが,なぜ琵琶湖博物館とかでなく,私のところに問い合わせが?
電話で話しているうちにわかったが,情報提供者は昨年の宇佐神宮放生会(id:m-urabe:20041010)で出会った京都の歴史愛好家Oさんらしい。なるほど,そういえば,宇佐での雑談のおりにそんなことも喋ったかもしれないが,忘却の彼方であった。
記者の方は既に神社の宮司さんには取材されていて,それによると,その放生は神社側が主宰するものでなく,十数年に一度朝鮮民族の方々(韓国から来られるのか,在日の方かはわからないが)が,民族衣装の正装で参詣に来られ,カメを放されるそうである。かえって私の方がいろいろ教えていただいた。
で,肝心のカメが在来種のものか,それとも現在渦中にある特定外来生物リストに載るようなヤバイものなのかは,私も実物を見たことがないのでわからない。とりあえず,後のフォローは琵琶湖博に振る。
しかし,通常の放生とは,食用として市場などで売られている魚介類の生命を助けるために,買い取って放流するわけである。淡水の魚貝類が食用目的で輸入されるときは生きたままのことが多いから,各地の寺社での放生で外来種が撒かれてしまうケースも結構あるんじゃないか。だれか調べているのかなあ?