滅んだ寄生虫たち

筑後地方のミナミヌマエビに寄生する吸虫の古い論文を取り寄せて読む。
現在では,私たちが調査している柳川や日田市では,ミナミヌマエビの吸虫は基本的に1種類しかいない。ところが,この論文ではなんと6種もの吸虫が記録されている。そのうち,Meritrema caridinaの第一中間宿主はカタヤマガイで終宿主はタマシギ,Pleurogenes japonicusの第一中間宿主はヒメマルマメタニシと記されている。いずれも現在では国や県でRDB入りしている生物だ。これでは寄生虫が生活環を形成できないのも当然だ。
寄生虫の多様性調査を真剣にしなくてはならない,と思う。