センター試験雑感

センター入試。私は通算9回めの監督であるが、毎度のことながら、どうやって試験時間を潰すかが最大の課題。
(1)受験生の名前の観察。今年初めて気になったのは、「美」や「麗」といった字の使用など,女子っぽい名前の男子がちらほら見受けられること。名前もボーダーレス化しているようだ。
(2)60人超の受験室で左利きは一人だけ。例年は20〜30人に一人なので,有意性はなかろうが少なめである。
(3)受験生の半数近くがトンボの「MONO」の消しゴムを使用。なんか多様性低くないか?それとも,最近の高校生は普段消しゴムなんて使っていなくて,マークシートのためにわざわざ購入した人が多いのかしら。
(4)1時間目の国語(なぜ酷語と変換される?)の題材はおおむね良かったように思うが,芸術論だの映画論だのはこの年になって見聞が広がってはじめて納得できる内容だとも思えたので,受験勉強に明け暮れている高校生にはちょっときつかったかもしれない。というより,せっかくの含蓄に富んだ文章を深く考えるのでなく,マークシートの5択問題にしてしまうことの空しさ。
国語1の1題目の大岡信の文章なんて,「絵画の価格を号いくらという数値で決める」習慣云々というのを「研究者の価値を論文何本という数値で決める」習慣と置き換えれば完全にこちらの業界に転用できる内容で,思わず元の本を全部読みたくなった良質の考察である。

追加。受験業界ではおなじみの文章だったみたいですね(汗)。
http://www.asahi.com/national/update/0116/018.html

(5)今日見た気になるアイテムは,「必勝」のプリントされた使い捨てカイロ。